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香港中国情報源

フリーランスライター 深川耕字

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■ 周永康氏を党籍はく奪、逮捕へ 中国

記載日:2014.12.06

職権乱用、不正蓄財の疑い

中国国営新華社通信によると、中国共産党政治局は12月5日、胡錦涛政権時代の党最高指導部メンバーで、治安部門トップを務めた周永康・前政治局常務委員(71)に巨額収賄疑惑があったとして党籍はく奪処分を下し、逮捕・送検する決定をした。
(深川耕字=2014年12月6日記)

 5日の党政治局会議では党中央規律検査委員会が提出した周氏に関する報告書を討議し、巨額の収賄を受け取った周氏の重大な規律違反を認めたほか、家族や愛人、友人などの巨額収賄で国有資産に重大な損失を与えたと判断した。さらに多数の女性との金銭や職権乱用による不道徳な関係も指摘し、「他の犯罪に関連した疑いも明らかになった」としている。

 6日付の中国共産党機関紙「人民日報」は「腐敗を厳しく処罰し、党紀を徹底する」と題する論評を掲載し、 「今回の決定は党中央の腐敗を厳罰化する強固な意志の表れ」「面従腹背は断じて許されない」として習近平指導部の反腐敗闘争の成果を誇示し、政治的な求心力を増している。

 政治局常務委員の経験者が汚職容疑で逮捕、訴追されるのは1949年の建国以来初めて。周氏はエネルギー政策に影響力を持つ「石油閥」出身で、司法や警察・治安当局を担当。派閥としては上海閥トップの江沢民元国家主席に近い。国有石油大手企業の利益を代表する指導者としても強い影響力を発揮し、2012年秋の党大会で引退した。

 今年3月以降、ロイター通信や香港フェニックステレビは中国当局が周永康氏本人と家族から900億元(約1兆5千億円)相当の財産を押収したと報じていた。中国で石油や天然ガスの開発・販売を独占的に行う国有石油大手への影響力を背景に、周辺のビジネスにかかわる長男・周浜氏(すでに逮捕)ら親族に不正な便宜を図ったほか、トップを務めた四川省や党中央政法委員会時代の規律違反も問われていた。香港誌「前哨」によると、周氏は取り調べ段階で家族や親族に罪が及ばないことを交換条件に罪を認める態度だったとしている。

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■ 周永康氏、罪状認め親族免罪交渉か

記載日:2014.11.20

上海閥に打撃/江氏長男企業顧問を退く

中国共産党規律検査委員会から汚職容疑で取り調べを受けている周永康・前政治局常務委員(71)は家族や親族に罪が及ばないことを条件に罪状を認め、党籍剥奪や懲役刑を受け入れる最終交渉段階に入った。香港政治月刊誌「前哨」の劉達文編集長が北京の確かな情報筋の話として明らかにした。
(深川耕字=2014年11月20日記)

周永康←2013年10月1日、母校の中国石油大学を訪問した周永康氏(左)。これ以降、当局の管理下におかれた=中国石油大学のウエブサイトから。

 10月23日まで行われた中国共産党の重要会議「第18期中央委員会第4回総会(4中総会)」で周氏の最終処分に関する言及がなかったのは、「党規律検査委員会と周氏との間で罪状認否をめぐる交渉がこの段階では完全に煮詰まっていなかったためだ」としている。

 7月末、中国共産党中央規律検査委員会は、胡錦涛前政権時代に党内序列9位だった周永康氏の「重大な規律違反」について立件したと新華社が報じていた。

 党規律検査委員会が汚職容疑のある党員を取り調べる双規の段階にある周氏は「薄煕来元重慶市党委書記(元政治局員)のように徹底して裁判で対抗し続けるスタンスとは違い、家族や親族に罪が及ばないことを交換条件に罪を認める態度」という。

 周氏はエネルギー政策に影響力を持つ「石油閥」出身で、司法や警察・治安当局を担当。派閥としては上海閥トップの江沢民元国家主席に近い。国有石油大手企業の利益を代表する指導者としても強い影響力を発揮し、2012年秋の党大会で引退した。
 今年3月以降、ロイター通信や香港フェニックステレビは中国当局が周永康氏本人と家族から900億元(約1兆5千億円)相当の財産を押収したと報じている。中国で石油や天然ガスの開発・販売を独占的に行う国有石油大手への影響力を背景に、周辺のビジネスにかかわる長男・周浜氏(すでに逮捕)ら親族に不正な便宜を図ったほか、トップを務めた四川省や党中央政法委員会時代の規律違反も問われている。

 中国メディアの報道によると、周氏の家族は、石油、不動産、金融などの分野で多角的に事業を展開し、違法経営で巨額の利益を得ていた。

 習近平政権としては周永康氏が習近平政権に対して完全屈服する形で決着となれば、腐敗の温床だった江沢民元国家主席を中心とする上海閥の政治力を削(そ)ぎ、権力基盤にプラスとなると判断しているという。

 香港誌「前哨」の劉編集長は「江沢民中心の上海閥にも政治的に大きな影響を与える結果になり、老いた大トラ(江沢民)自身への捜査は無理でも、その家族や傘下の取り締まりや処分は着々と進めることができると習近平政権は判断している」と見ており、「江沢民氏の長男・江綿恒上海科技大学長は最近は取り締まりを恐れ、企業経営者の立場を退いたり、利権を手放し始めている」と指摘。

 江綿恒氏が学者としての研究のかたわら、投資コンサルタント会社である上海聯和投資有限公司の代表を務めてハイテク、自動車、航空業界に顧問として進出し、「巨額の利権を得てきたが、今年に入って顧問を辞め、一線を退いている」と動向を分析しており、江沢民派の弱体化と軍部以外での習近平国家主席の権力基盤強化が顕著だとしている。






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● プロフィール ●

深川耕字 (ふかがわ・こうじ)

福岡県生まれ。筑波大学第一学群人文学類卒業後、新聞記者を経てフリーランスライター。1997年から10年以上、香港駐在し、中国各地や台湾、マカオなど頻繁に現地取材。一般社団法人・全国教育問題協議会理事。

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