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フリーランスライター 深川耕字

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権力空白期の馬政権、混乱 台湾

記載日:2016.01.17

組閣、多数派工作で民進党入閣も

1月16日投開票された台湾総統選と立法委員(国会議員=113議席)選で今後4年間の台湾政局が民進党政権の復権を軸に大きな転機を迎えている。5月20日の蔡英文新総統就任式までの約4ヶ月間、馬英九政権は内閣総辞職による与野党連合の新組閣を行う可能性もあり、新政権スタートまでの権力空白期は不安定な政局となりかねない。(深川耕字、写真も=2016年1月17日記)

5月の新総統就任まで不安定

台湾総統選の結果を受け、ガッツポーズをする蔡英文次期台湾総統(右)と呂秀蓮元副総統(左)。  台湾総統選では、独立志向の野党・民進党の蔡英文主席(59)が与党・国民党の朱立倫主席(54)、親民党の宋楚瑜主席(73)を大差で破り、当選した。8年ぶりの政権交代で、総統に女性が当選するのは初めて。中央選挙委員会の集計では、蔡氏の得票率は56・12%の圧勝となり、民進党は同時にあった立法院(国会、定数113)選で68議席を得て初めて過半数となった。

 得票率は、過去の総統選で最高だった2008年の馬英九(マーインチウ)総統の58・4%に迫る高さ。投票率は過去最低だった前回(12年)の74・38%を大きく下回る66・27%だった。蔡氏の得票数は、04年の陳水扁氏の647万票(得票率50・11%)を上回って民進党候補で過去最高で、国民党支持者の投票意欲が低かったことも大きく影響した。

 立法院(国会=113議席)選では民進党が改選前の40議席から躍進、国民党は64議席から35議席に大幅に減らした。朱氏は16日夜、党主席の辞任を表明。一昨年3月に学生らが立法院議場を占拠した「ひまわり学生運動」から発展した新政党「時代力量」が5議席を得た。

 総統選での敗北、立法委員選での大幅議席減による下野は与党・国民党にとって立法院(国会)でも完全野党化を意味し、党内立て直しが急務でありながら分裂含みの不協和音がくすぶる。2000年の陳水扁民進党政権誕生の際は、国民党は半世紀以上の一党支配に終止符を打ったものの、立法院では第一党を維持し、少数与党の民進党は立法院のねじれ現象に苦悩され続けた。

台北市内の国民党選挙本部前で手を振る同党の朱立倫総統候補(中央右)と蒋介石のひ孫で同党所属の蒋万安立法委員候補(中央左)。  しかし、今回の選挙では民進党が圧勝し、立法院でも国民党と民進党の議席数が逆転。対中融和による景気浮揚を訴え続けた馬英九政権は有権者の支持を失い、朱立倫国民党主席の党内求心力も弱体化している。次期国民党主席がだれになってもまとまりにくい結果となった。

 国民党は各派閥の権力闘争が強まり、本来、総統候補として出馬しながら中途で辞退させられた統一派の洪秀柱立法院副院長(国会副議長に相当)が、党内での出馬手続きを正統に踏みながら辞退させられたことへの理不尽さで逆に支持を高め、「党内では洪氏の人気が逆に高まり、朱立倫党主席の人気が下がっている」(翁明賢・淡江大学国際事務戦略研究所所長)との動きだ。党内は洪秀柱派、朱立倫派、馬英九派、呉敦義副総統派などに分かれて対中政策でも急進派と穏健派に分かれ、泥仕合になっている。

 馬英九総統としては政権最終盤ぎりぎりまでに昨年11月7日にシンガポールで開かれた中台首脳会談で習近平中国国家主席と確約した内容を次期政権でも継続するつなぎ役をするために再度、トップ会談を模索。中台統一を目指す統一派の洪秀柱立法院副院長も新総統が就任する5月20日までに訪中を計画し、新政権誕生後も中台関係安定のために中国大陸観光客の増加や貿易増などを確約するために習近平指導部と会談する準備を水面下で進める動きも出てきている。

 だが、馬英九政権8年間で対中融和を進めても、政権樹立後、実質経済成長率年平均6%以上、失業率3%以下、2016年の平均所得を3万米j(約360万円)にする「633」政策を提唱しながらも、結果として昨年11月で失業率は3・91%、今年の国内総生産(GDP)実質成長率は1・5%前後になる見通し。リーマン・ショック後の09年以来の低さ。

 対中関係改善の恩恵は一部の企業や団体のみに集中し、中国大陸のモノや人の存在感ばかりが増え、「国民党政権では富の分散が偏り、一向に生活の向上を実感できない」(台中市民)との不満が広がる。昨春来、中台融和は中国大陸に呑み込まれて台湾の存在を脅かすと訴えるヒマワリ学生運動や統一地方選での民進党圧勝に直結。今回もヒマワリ学生運動の指導者らが結党したミニ政党「時代力量(時代の力)」(黄国昌主席)が民進党と選挙協力する形で立法委員選挙で大躍進しており、国民党の各派閥が「現状維持」を超える中台融和を図る動きには強い反発があり、民意を得られないのが実情だ。

 総統選、立法委員選の結果を受け、総統選に出馬した経験のある許信良・元民進党主席は「台湾行政院(内閣)は総辞職後、馬英九総統が蘇貞昌・前民進党主席(元行政院長)を行政院長に指名し、民進党や親民党を含む与野党連合の内閣を組閣する動きがある」と見る。台湾の政治制度にとって総統選から新総統就任式までの約4ヶ月は現職最終盤の総統が組閣や外交で大きく打って出ることが可能な真空期間だ。組閣時に朱立倫党主席や王金平立法院長を重用する可能性もある。

 かりに蘇貞昌氏が行政院長を受諾した場合、蔡英文次期総統の就任時まで民進党内が混乱するが、「敗北が決まった馬英九総統がそこまで次期政権に揺さ振りをかける求心力はない」(国民党関係者)との見方もあり、5月20日の新総統就任式までは台湾政局は不安定な時期が続く。

 半世紀以上、巨大与党として潤沢な党産(党の資産)と中央や地方の人事権を握って君臨してきた国民党は、昨年の地方選に続き、今選挙を機に民進党「一強多弱」時代を迎え、弱い野党と化すことで同党から割って出た親民党(宋楚瑜党主席)との連携も強化せざるを得ず、党の体質が大きく変わる苦渋の時代を迎える。

 一方で大きく躍進した時代力量が民進党とどこまで政策協力し、新政権誕生時に政権中枢に食い込むか、注目されており、蔡英文政権の船出には陳水扁政権時の教訓を活かし、民進党主流派の権力のみが突出しないバランスの取れた人事が練り込まれる必要がある

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年頭インタビュー 台湾総統選と中台関係の未来
台湾・輔仁大学(台湾大学兼任教授)の何思慎教授に聞く

記載日:2016.01.02

若者の貧困問題脱出できず 台湾

インタビューに答える何思慎教授。 1月16日に台湾総統選挙、立法委員(国会議員=113議席)選挙が行われ、台湾政局が大きく変わる時期を迎えている。同選挙を通じて台湾の政局がどう変化していくのか、新政権が求められる課題は何かを台湾、中国、日本、米国との関係に詳しい台湾・輔仁大学(台湾大学兼任教授)の何思慎教授に聞いた。(聞き手・深川耕字、写真も=台北で、2016年1月2日記)

景気浮揚策不発なら21年の続投困難 - 中台関係の安定が日台関係深化に
- 国民党分裂なら野党不在に

 ――11月7日、シンガポールで習近平中国国家主席と馬英九台湾総統が66年ぶりに中台トップ会談を行い、92年コンセンサスを改めて確認した。中国は両岸関係について1992年にシンガポールで「一つの中国」原則を確認した「92年コンセンサス合意」の受け入れを台湾側との交流の前提条件としているが、独立志向の強い民進党は合意の存在を認めていないため、たとえ政権交代してもトップ会談が継続できるかどうかは先行きが暗いのではないか。
 馬英九政権の8年間は「一つの中国」を認める立場で中台関係は安定した。しかし、民進党が92年コンセンサスを認めない限り、中国政府は台湾との関係を大きく変えていくことになる。中台トップ会談の継続も難しい。習近平政権にとって「一つの中国」政策を貫かない限り、中国の国内統治自体が治められないし、一歩間違えれば、政権自体が崩壊する危険性を孕(はら)んでいる。中国共産党にとっても、独立志向の強い民進党にとっても、両岸(中台)関係を従来通りの「現状維持」で保てるか難題だ。

民進党の立法委員候補の応援に駆けつける蔡英文総統候補。  ――1昨年3月のひまわり学生運動以来、台湾の若者たちの政治参加が強まり、今回の選挙でも積極的に投票する動きだが、その背景は馬英九政権での景気低迷に対する若者の不満が大きいからか。
 5月に新政権が樹立しても若年層の就職難、貧困問題はグローバリゼーションの課題で経済学の教科書に解決策がなく、台湾のみで解決できる問題ではない。今後も若年層の雇用難、年収減、雇用問題、住宅問題、社会保障の問題は課題として重くのしかかる。国民党政権だけが低迷しているのではなく、実は民進党政権が最初に樹立した2000年以来、16年間の長期難題だ。台湾で村上春樹の小説が人気なのは、世界的な不況が続く影響で世界的に若者たちの政治喪失感が共感共有できる部分があるからだろう。政権が交代しても、若者の貧困問題はなくならないので蔡英文氏にとっては大きな宿題だ。日本はアベノミクスで景気浮揚を進めているが、構造改革はまだ進んでいない。民進党政権になっても経済政策は構造改革を大きく進めない限り、美辞麗句のリップサービスで終わる。韓国の朴槿恵大統領も米国のオバマ大統領も支持率が低迷し、苦しんでいるのは経済政策がうまくいっていないからだ。景気が向上しない場合、2021年の総統選で蔡英文氏が再選されるかどうか不透明になってくる。

世界平和茶会を主催した呂秀蓮元副総統(中央)はハーバード大学卒業で民進党内でも視野の広い国際的な感覚を持つ。  ――蔡英文氏は昨年10月、訪日し、安倍首相の故郷である山口県も訪問し、日本重視の姿勢だが、政権交代した場合、台湾のTPP加入を含め、日本と台湾の関係は強化されるか。
 基本的に台湾の政権が変わっても台湾と日本の関係は維持されるが、中台関係が改善されなければ日台関係の深化も難しい。馬英九政権8年間での日台関係が漁業交渉をはじめとして改善したベースは中台関係の改善にある。安倍政権は台湾との関係を改善しようとすると、必ず中国政府からの圧力を露骨に受ける。中台関係が悪化すると日台関係の維持も困難な部分が出てくるということだ。TPP加盟国の半分近くが中国との関係も重視しており、中国の動向を気にしているので、台湾も中台関係が改善されないと、容易にTPPに加入できる環境が整わない。新政権は中国、日本、米国とのバランス感覚が大切になるが、蔡英文氏は対米一辺倒で偏りがある。

記者会見する国民党の朱立倫総統候補。  ――16日の立法委員(国会議員=113議席)選挙で民進党が過半数を獲得し、国民党が野党になった場合、一強二弱となり、日本と同様に野党不在の政治になる可能性もあるか。
 総統選挙で蔡英文氏が当選し、立法委員選挙で民進党が過半数を取れば、国民党は野党になって後、分裂する可能性もある。そうなると台湾の民主政治にとっては最悪の結果となる。蔡英文政権が樹立した場合、民進党内の独立志向である主流派が主導権を握り、国民党の政治力が虚弱化すると、野党の果たす最低限の役割すら失われる。中台関係だけでなく、日台関係にも影響するだろう。最も楽観的な予測でも国民党は45議席、統一派の新党1議席、親民党、民国党(親民党と選挙協力)などを合わせて野党全体で50議席を獲得しないと民進党に対抗できる与野党のバランスが取れなくなり、野党不在の政治になってしまう。そうなると、野党が弱くなり、民進党一強の政治となるので2021年に蔡英文氏が総統再選し、長期政権になるだろう。

台北市内にあるカトリック系の輔仁大学国際交流センター。各国の国旗やクリスマスツリーが飾られる。  ――この動きに中国政府はどう対応していくか。
 5月の新政権発足までに馬英九総統が再び習近平中国国家主席に会う可能性は極めて低い。中国共産党は2021年に創立100周年を迎える。習近平政権の終盤であり、米国の圧力下、台湾との関係を新たに強い政治的メッセージとして打ち出すことになる。
 ――南シナ海のスプラトリー(台湾名・南沙)諸島で台湾が実効支配する太平島で埠頭(ふとう)の拡張などの完成式典に馬英九総統は参加を見送った。米国の強い圧力があったからか。
 米国の圧力による影響が大きい。南シナ海の領有権問題は東シナ海問題に比べて非常に複雑で各国の領有権に関する主張が違う。台湾が新政権樹立後、領有権を第一列島線内にするのか、現段階ではブラックボックス状態だ。中国政府としては蔡英文氏が中台関係を「現状維持」するという立場は、すなわち李登輝元総統が主張する二国論と判断するだろう。2017年、国際情勢で最もリスクの高い問題は、韓半島問題でも南シナ海問題でもなく、台湾海峡問題となる可能性が高い。日本にも強い悪影響が及ぶ。

台北市内の書店には村上春樹の中国語版の小説本がシリーズでズラリと並ぶ。  ――台湾の対米関係、米中関係はどうなるか。
 12月、米国大統領選の投開票が終わり、来年1月に米国新政権が誕生した場合、米中関係が緊密化すれば、二国論の考え方では米国は台湾と協調できにくくなる。米国大統領選を見ると、共和党のトランプ候補の強硬論は米中関係でも困難で、民主党のヒラリー候補であれば東アジア政策でより安定するだろう。習近平氏の打ち出す新型の大国関係にもつながる。

台北市内の書店には民進党の蔡英文総統候補に関する書籍が数多く販売されている。  ――台湾総統選で民進党政権が樹立した場合、台湾と外交関係のある国が22カ国から減り、中国と国交を結び直すケースが増えるとの懸念を呂秀蓮元副総統が主張しているがどう見るか。
 呂秀蓮氏は民進党内では極めて珍しいほど、外交の視野が広く、台湾の長期的な権益について深く関心を持っている政治家だ。呂氏と先日会って会談した時、政権が変わると、台湾と外交関係のある国が10以下になる恐れがあると憂慮していた。海洋問題については党派を超えて台湾のために討議する必要があり、民進党政権が樹立した場合、呂秀蓮氏が設立提唱した非政府組織「民主太平洋連盟」が民進党内でも海洋問題に取り組むために本格始動するだろう。

【何思慎(か・ししん)】 台湾の輔仁大学卒業後、台湾政治大学国際事務学院東アジア研究所修士、同大学院で博士号取得。東京大学東洋文化研究所客員研究員、台湾のシンクタンク「中華欧亜基金会」研究委員、シンクタンク「遠景基金会」理事を経て輔仁大学教授、台湾大学教授(兼任)。

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淡江大学国際事務戦略研究所の翁明賢所長に聞く

記載日:2016.01.02

馬総統、中台トップ再会談を模索

台北市内でインタビューに答える淡江大学国際事務戦略研究所の翁明賢所長。 1月16日投開票の台湾総統選挙、立法委員(国会議員=113議席)選挙まで残り2週間。各政党はラストスパートをかけ、政権交代の攻防戦を激化させている。今選挙を通じて台湾の政局がどう変化していくのか、新政権が求められる課題は何かを中台関係に詳しい台湾の私立大学の名門、淡江大学の翁明賢国際事務戦略研究所長に聞いた。(聞き手・深川耕字、写真も=2016年1月2日記)

立法委員選で民進党過半数も - 少数政党を支持する若年層増える

 ――昨年11月7日にシンガポールで開かれた中台首脳会談で習近平中国国家主席と会談した台湾の馬英九総統は、16日投開票の台湾総統選が終わり、新総統が誕生後、5月の新政権スタートまでの期間、再度、中台トップ会談を行うことはあり得るか。
 非常に厳しい環境だが、会談再開が可能になるように努力し、模索している。米国が二度目の中台トップ会談の実現に対して圧力をかけたり、阻止しようとしなければ、隙間を縫って実現にこぎつけたいはずだ。総統選の敗北結果次第では、与党・国民党は各派閥の権力闘争が激しくなり、本来、総統候補として出馬しながら中途で辞退させられた統一派の洪秀柱立法院副院長(国会副議長に相当)が訪中計画し、新政権誕生後も中台関係が安定化するために中国大陸観光客の増加や貿易増などを確約するために習近平指導部と会談する動きも出てきている。

12月13日、台湾の新北市汐止駅前で蔡英文民進党主席(左端)と一緒に壇上で手を振るミニ政党「時代力量」の黄国昌党主席。  ――台湾新総統による新政権は米国、日本、中国との関係をどう変化させていくと見るか。
 馬英九政権8年間の対米、対日、対中関係の延長線上の路線を引き継ぎ、いかに三国関係を安定させ、深化させるかを優先させていくだろう。中国は「一つの中国」原則を確認した「92年コンセンサス」の受け入れを台湾側との交流の前提条件としているが、民進党の蔡英文党主席は中台関係の「現状維持」を掲げつつ、合意の存在を認めていない。この対応次第で中国側の対応が変わる。ボールは新総統の手にある。重い宿題だ。とくに中国政府との関係は、現状維持で安定させることが台湾海峡の平和にとっては最優先課題だ。

 ――今回の台湾総統選挙で真に争点とすべき問題は何と考えるか。
 過去8年間の国民党政権では、中台融和による中国との関係は大きく改善されたが、台湾経済は低迷し、打開の道筋が見通せていない。民進党政権になっても、民進党が単独過半数で立法院を完全に牛耳るのではなく、国民党やミニ政党が集まる第三勢力の意見も取り入れ、バランス感覚を持って新たな政策を打ち出し、改革していく必要がある。総統選や立法委員(国会議員)選で争点とすべきは、景気浮揚につながる経済政策など内政問題と対中問題だ。

民進党の選挙集会だけでなく、選挙協力する小政党・時代力量の集会でも蔡英文総統候補のキャラクターグッズが売られていて、人気がある。  ――政権交代した場合、中台関係はどのように変化すると考えるか。経済、貿易、観光などで大きな変化はあるか。
 中台関係では、経済、貿易、観光では大きな変化はないだろう。しかし、軍事や政治については米国から台湾へ最新兵器の供与が決定したことで中国が反発していることから、対米関係が強化されることで中国との関係が不安定要因として拡大する可能性はある。

 ――陳水扁政権時代に活躍した呂秀蓮元副総統が、今回の総統選で民進党政権が樹立した場合、台湾と国交がある22の国のうち、中南米諸国を含む半数ぐらいが断交して中国と国交を結ぶ動きが加速すると憂慮しているが、どう見るか。
 中国政府としては台湾と断交する国が増えることで嫌中感情が台湾住民に広がることを憂慮している。これ以上、中国の外交圧力で台湾住民から嫌われると統一工作ができにくいと見ているのであからさまな圧力をかけるのは控えたいのが本音だろう。

12月18日、総統選の選挙告示後、台北市内にある国民党本部前で行われた初めての選挙活動。国民党の朱立倫総統候補(中央)が支持者らとにこやかに握手を交わした。  ――16日投開票の総統選挙は民進党の蔡英文総統候補が圧勝する勢いだが、政局の焦点は同時に投開票される立法委員(国会議員=113議席)選挙で最大野党・民進党が過半数を獲得して安定政権となるかどうかに移ってきている。与党・国民党、民進党、親民党、時代力量、台湾団結連盟(台連)の議席数を見通すと、どうなるか。
 民進党は55〜60議席を獲得する勢いだ。過半数を得られるかどうかだが、たとえ、過半数に届かなくても、第三勢力との連携で重要法案は通るようになるだろう。一方で厳しい戦いに曝されているのは与党・国民党だ。総統候補選びで正当な手続きを踏んだはずの洪秀柱立法院副院長が中途で総統候補を辞退させられたことで、党内では洪氏の人気が逆に高まり、朱立倫党主席の人気が下がり、党内は洪秀柱派、朱立倫派、馬英九派、呉敦義副総統派に分かれて足の引っ張り合いだ。現状では30〜35議席獲得という過去最悪の議席数に落ち込む可能性がある。少数政党・時代力量は5議席以上を獲得する勢いだ。

 ――今回の台湾総統選、立法委員選挙で注目されるのは、新たに選挙権を得た若年層が中国大陸に反発する形で「台湾人意識」を強め、政治参加意識が高まり、投票率が上がる傾向にあることだ。昨年3月、ひまわり学生運動を展開した学生リーダーらがミニ政党「時代力量」として民進党と選挙連携しながら立法委員選に出馬し、善戦している。この動きをどう見るか。
 得票率を予想すると、民進党が45%、国民党25%、親民党12%、時代力量7%前後だろう。中台統一派の新党はぎりぎり5%を超え、比例区で5%以上の得票率がないと議席数を得られないので、かろうじて議席を得られる程度だ。台連も同様だ。民進党は党内が分裂することなく、挙党一致でまとまっているので得票率が上がっているが、国民党は食用油の違法販売問題や王如玄副総統候補の軍用地転売問題で逆風が強まり、党内は四分五裂してまとまっていないため、議席数が伸び悩んでいる。立法院選挙で過半数を獲得できるかどうか、与野党の攻防戦が最終盤になって激しさを増している。

12月19日、台北市内で行われた親民党の選挙集会。  ――台湾では日本の小説家・村上春樹がブームになり、淡江大学には村上春樹研究センターまである。台湾の若年層は政治の理想に挫折し、「小確幸」(村上春樹の造語)という小さな幸せのために個人の自己実現を目指すことに共感を得る人が増えているが、彼らの党派性はどうなっているか。
 村上春樹ファンの若者は無党派が圧倒的に多く、彼らの大半は時代力量などの少数政党や民進党を支持する割合が多くなっているのが特徴だ。

 ――台湾の米国大使館とも言うべき駐美国台北經済文化代表処は陳水扁政権時代、代表ポストを国民党の人材ばかり重用し、批判された。民進党政権が樹立した場合、駐美国台北經済文化代表処の代表は民進党の外交官を起用することになるか。
 馬英九政権時代、米国との協力関係がうまく機能しなかった。民進党は蔡英文党主席が訪米した時も民進党の外交官が手配し、成功した。民進党政権になれば、民進党が外交の主導権を握ることになる。

【翁明賢(おう・みんけん)】 台湾のカトリック系大学の輔仁大学ドイツ文学学士を経て淡江大学欧州研究所修士、独ケルン大学で政治学博士取得。台湾戦略研究学会理事長、国家安全会議諮問委員などを歴任し、現職。専門は中国の国家安全戦略と政策など。

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ルポ・政権交代の攻防 台湾総統選2016 第5回

記載日:2015.12.29

中台緊張リスク、日米協力強化を 立法院も「一強二弱」へ

2015年12月19日、桃園市の趙正宇立法委員候補の応援で演説する民進党総統候補の蔡英文党主席=深川耕字撮影。 「一強二弱」と台湾メディアで報じられるほど、選挙序盤から野党・民進党公認候補、蔡英文主席は「一強」としての支持率が高く、二弱である国民党の朱立倫主席、親民党の宋楚瑜主席を寄せ付けない圧勝の勢いだ。最終盤で目立つのは第三勢力となったヒマワリ学生運動のリーダーたちが束ねるミニ政党「時代力量(時代の力)」が親民党より支持率が上昇している点だ。(台北市で、深川耕字、写真も=2015年12月29日記)

時代力量、親民党超える勢い - 日本版台湾関係法の成立急務

2015年12月13日、台北市内で選挙演説する民進党の陳建仁副総統候補=深川耕字撮影。  ペアとなる民進党の副総統候補には党所属ではなく、総統府直属の研究機関・中央研究院の副院長で無党籍の学者である衛生の専門家・陳建仁氏(64)が指名され、無党派層にも食い込む安定した戦いとなっている。

 与党・国民党は副総統候補に無所属の王如玄・元行政院労工委員会(現・労働部)主任委員(54)を指名。女性や労働者への共感アピールを強めようとしたが、軍人専用住宅を安値で購入した疑惑で党内の軍出身者からも批判に曝され、逆風となっている。親民党も副総統候補に新政党・民国党主席の徐欣瑩立法委員(43)を選出し、総統選を争う各政党の総統・副総統のペアはラストスパートをかける。

2015年12月18日、台北市内の国民党本部前で総統選での勝利を訴える国民党総統候補の朱立倫党主席(中央)=深川耕字撮影。  独立志向の強い民進党にとって両岸(中台)関係を従来通りの「現状維持」で保てるか難題だが、大半の有権者は寛容だ。中国は両岸関係について「一つの中国」の原則を確認した「92年コンセンサス合意」受け入れを台湾側との交流の前提条件としている。

 民進党は合意の存在を認めていないため、たとえ政権交代してもトップ会談が継続できるかどうかは先行きが暗い。それでも有権者から見ると、中台融和による景気回復が思うように進まなかった馬英九政権とは違う現状維持路線に批判は少なく、台湾の選挙につき物のスキャンダルも国民党が不動産売買不正疑惑を追及しようとしたが真実味がなく、不発に終わった。

2015年12月18日、与党・国民党の江恵貞立法委員候補の応援にかけつける国民党副総統候補の王如玄・元行政院労工委員会(現・労働部)主任委員。スキャンダルで支持率が低迷している=深川耕字撮影。  一方、昨年末の地方選での惨敗以降、劣勢に立たされている与党・国民党は中国との統一志向の強さが敬遠された洪秀柱・立法院副院長の公認を取り消し、代わって自ら立候補した朱氏は10月の臨時党大会で候補者となった出遅れが響き、勢いに乗ることができないまま野に下る可能性が高まる。

 馬英九総統が先月7日に行った中台首脳トップ会談も追い風にならず、限定的効果しか見られず、思惑が外れた。立法委員(国会議員=113議席)選挙でも一強二弱の構図は変わらず、民進党が過半数となる57議席以上を奪取、国民党が40〜50議席を取れるかどうかの戦いとなっている(立法院議席数は国民党64、民進党40)。

親民党の宋楚瑜総統候補(左)と徐欣蛍副総統候補=深川耕字撮影。  次期総統最有力となっている蔡氏は李登輝政権末期に李登輝氏に見出されて行政院大陸委員会諮問委員となり、陳水扁政権で対中関係を取り仕切るトップの大陸委員会主任委員に抜擢され、頭角を表した。対中関係のスペシャリストであるが、馬英九政権と違い、中台関係は現状維持の原則から外れない立場。

 中台関係が専門の何思慎輔仁大学教授は「かりに蔡英文政権になれば台湾海峡問題は韓半島問題よりはるかにリスクが高く、2017年ごろ、最も厳しくなる。2021年、中国共産党創立100周年で習近平政権末期だけに中国政府は台湾への毅然とした政治的シグナルを送るはずだ」と本紙に語り、台湾側の対応次第で中台関係が変容すると見通す。中台関係の緊張リスクが進めば、民進党は米国、日本との協力をさらに緊密化することが不可欠であり、中台有事をにらみ、日本でも日本版台湾関係法の成立が急がれることになりそうだ。

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ルポ・政権交代の攻防 台湾総統選2016 第4回

記載日:2015.12.29

厳しさ増す台湾外交 中南米は中国シフト

来月16日の総統選まで残り3週間を切り、事実上の終盤戦に入った選挙戦は、最大野党・民進党の蔡英文主席の圧倒的優勢は変わらず、テレビ局TVBSが20日発表した世路調査結果では、支持率は蔡氏が46%、与党・国民党の朱立倫主席が26%、野党・親民党の宋楚瑜主席が10%で後を追う「一強二弱」の形勢となっている。(台北市で、深川耕字、写真も=2015年12月29日記)

呂秀蓮元副総統が対中圧力を憂慮 - 景気浮揚策、対中政策が鍵に

台北市内で行われた平和茶話会で平和の鐘を鳴らす呂秀蓮元副総統ら呼びかけ人メンバー=深川耕字撮影。  安定した戦いの蔡氏は22日、台北で経済7団体との対話集会で対中政策について従来の「現状維持」から一歩踏み込み、「意思疎通を図り、挑発せず、予想外の行動を取らない」と語り、民進党の台湾独立志向が中国大陸との経済活動に悪影響を与えかねないとの産業界の懸念払しょくに配慮した。

 環太平洋経済連携協定(TPP)や東アジア包括的経済連携協定(RCEP)への加入にも意欲を示し、馬英九政権のように中国一辺倒の傾斜には楔(くさび)を打つスタンスだ。

 独立志向の民進党が8年ぶりに政権に返り咲けば、初の女性総統が誕生し、中国政府は独立志向の動きに強い警戒感を持って圧力をかけ、注視する。

 政権奪還後の民進党の外交政策に強い懸念を持っているのは、民進党で00年から8年間、初の女性副総統を務めた呂秀蓮氏(71)だ。

台北市内で行われた平和茶話会で茶会を楽しむ呂秀蓮元副総統(中央)ら=深川耕字撮影。  「民進党が総統選で勝利後、まず、直面するのは台湾と断交する国が続出し、国交のある22の国のうち、中南米諸国が鞍替えして国交継続は半分ぐらいまで激減するだろう。新総統は中国の断交圧力に対策を取り、台湾外交空間の生き残りをかけるべきだ」と警鐘を鳴らす。米ハーバード大などの留学経験のある呂氏は民進党内でも外交戦略では視野の広さが国民党系の学者からも高く評価されているが、民進党内での政治的発言力は弱い。

 呂氏は台湾民主化のために月刊誌「美麗島」創刊に参加して5年半にわたって投獄された経験もあり、12月10日が世界人権デーだったことから、12日、台北市内で台湾内外の芸術家ら平和大使を招いて約一千人が参加し、平和茶話会を開いた。

 「台湾は99年の総統選以降、男女共生、共同参画が確立され、今回の総統選挙も総統・副総統ペアは男女となっている世界でも数少ない男女平等の先進地域だ」と述べ、女性の地位向上を評価。「テロ事件が頻発し、平和の大切さが重視されている。平和は文化、信仰、素養を理解することから始まる。総統選後、台湾人は平和が課題であり、平和文化の種を一緒に播(ま)きましょう」と平和の鐘を鳴らして訴えている。

台北市内で行われた平和茶話会で演説する呂秀蓮元副総統(中央)=深川耕字撮影。  台湾の課題は外交だけでなく、景気浮揚につながる内政、とくに産業振興策だ。蔡氏は環境に優しい産業育成を打ち出し、未来産業(IT、精密機械、バイオ)、自然エネルギー、生活産業(農業、食品安全、観光)の新経済三大産業戦略を起爆剤に年金改革、公共住宅の増設まで訴える。そこには対中ビジネス強化は含まれず、あくまで「現状維持」。日本のアベノミクス「3本の矢」のように三大産業戦略が軌道に乗るかどうかは未知数だ。

 一方、与党・国民党候補の朱立倫主席は「中台関係の安定こそが台湾の内政外交を安定させる。対中経済をさらに開放すべきだ」と演説し、馬英九政権時代から続く対中融和による経済浮揚を訴えるが、台湾の景気低迷は有権者から拒否反応として支持率に反映されている。

 総統選最終盤と重なる新年と春節(旧正月)は中国大陸の観光客にとって台湾旅行のトップシーズン。中国の対台湾窓口機関・海峡両岸関係協会によると、台湾側は2月29日まで1日あたりのツアー受け入れ人数を5000人から8000人に増員。ここ1年、中国では台湾観光が人気となり、1日当たりツアー受け入れ人数に制限があるため、2ヶ月前から申し込む必要がある。1日当たりの人数制限を8000人に引き上げたことは台湾旅行人気をさらに高めている。

 人数制限が緩和されたため、新年や春節に台湾を訪れる中国大陸観光客は3割増える見込み。3000人増員された内訳内容は中国国内全土に開かれたもので、1月上旬までのツアーはほぼ完売。中国は観光客増で景気刺激を高め、少しでも国民党が有利に働くよう懐柔したい冬休み向け観光商品も7割が埋まり、2008年から現在までの台湾観光客数はのべ1000万人を超え、今年は1月から9月までで259万人に達して「先経後政(先に経済関係を、その後に政治関係)」による台湾への影響力を強めている。

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ルポ・政権交代の攻防 台湾総統選2016 第3回

記載日:2015.12.28

景気低迷、対中融和でも浮揚せず 馬英九政権のツケ

2012年の前回総統選では約80万票差(馬英九氏689万票、蔡英文氏609万票)で馬英九氏に競り負け、昨年11月の統一地方選では新北市長選でも朱立倫氏(国民党主席)に惜敗した民進党の蔡英文総統候補(党主席)。敗北の教訓から地元密着を努めてきた。(台湾中部・台中市で、深川耕字、写真も=2015年12月28日記)

台湾中部、不満が民進党に追い風 - 親民党は国民党批判票狙う

台中市内にある民進党の蔡英文総統候補の選挙本部では林雀薇組織部主任が投票番号2番を表すVサインを示した。  蔡氏の生き方を紹介した張瀞文著「蔡英文 交渉テーブルから総統府へ」(商業周刊=中国語版)では今年7月、台湾中西部の港町、彰化県鹿港を訪れ、地元出身の青年たちに「古い街並みには地元民の歴史と息づかいがあり、一地方の体験こそわれわれ共同の資産であり未来の礎だ」と汗をかきながら語るシーンから始まる。

 鹿港出身で台中市内の大学で教鞭を執る林正成氏は「学者出身でお嬢様育ち、独身で冷たいイメージが親しみにくいとも評されてきたが、蔡氏は敗者復活のために各地を回って庶民の暮らしを理解し、支持者との交流も板についてきた」と話す。

 かつて与党・国民党が強く、市長も国民党時代が長期で続いた台湾第三の都市・台中市(271万人)でも民進党の追い風は強まり、林佳龍氏(50)が初めて昨年11月の地方選で民進党の市長として初当選し、国民党の支持基盤切り崩しが急速に進む。

2015年12月16日、台中市で行った当方の座談会では台中市内の有識者7人が台湾の現状と未来について討議した。  「馬英九政権の8年間、景気低迷で台湾全住民は国民党を強く批判している。一方、民進党の蔡英文候補は2008年の総統選での失敗を反省し、コツコツ支持基盤を広げてきたので台中でも民進党支持が広がり、とくに社会的弱者層に対する保護政策やエネルギー政策が高く評価されている」と台湾人権文化協会の謝錫安理事長は台中市内で行った当方の座談会(7人参加)で語る。

 参加者の大半は、かつては国民党支持者だったが「台中の国民党は二派に分裂腐敗し、党産(国民党の財産)を政府に返さずに経済が悪化した」(謝宗憲台湾人権文化協会理事)、「馬英九政権はシンガポールで中台トップ会談を密室で行った。国民党が中国との統一を目指していることに強い反発が台中でも起こり、景気低迷で子どもを産もうとしない若者の政治意識の変化、公教育での歴史教育の見直しが急務」(許維智台中教育大学助教授)、「台湾のキリスト教会では同性婚に反対だ。民進党政権になっても一貫した立場だが同性愛者への人権は最低限必要だろう」(林世傑台中公義行動教会牧師)と話す。

台中市内にある民進党の蔡英文総統候補の選挙本部。台中市内選出の立法委員候補の写真が張り出されている。  馬英九政権8年間の景気低迷への不満が民進党への追い風となって吹いている。馬英九総統は政権樹立後、実質経済成長率年平均6%以上、失業率3%以下、2016年の平均所得を3万米ドル(約360万円)にする「633」政策をぶち上げ、対中融和政策で経済浮揚を目論んだ。
 しかし、中国との貿易増、中国大陸観光客の急増はあっても失業率は11月で3.91%、今年の国内総生産(GDP)は1.5%前後になる見通しでリーマン・ショック後の09年以来の低さ。対中関係改善の恩恵は一部の企業や団体のみに集中し、中国大陸のモノや人の存在感ばかりが増え、「国民党政権では冨の分散が偏り、一向に生活の向上を実感できない。対米、対日関係を深化させ、中国依存を減らして内需拡大による景気浮揚を果たしていくべきだ」(李明憲台中市蔡英文後援会執行長)との不満が広がる。

2015年12月19日、台北市内で行われた親民党総統候補の宋楚瑜党主席支持者集会。  昨年来、「ひまわり学生運動」や統一地方選での民進党圧勝に直結した。国民党から分裂した親民党の宋楚瑜主席は国民党の批判票としての受け皿を目指すが、予想以上に支持率を伸ばせず、国民党の不満票は民進党や少数政党に流れつつある。

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息吹き返す日本統治時代の文化力 台南市・林百貨店

記載日:2015.12.27

次期新政権の景気浮揚策に光 台湾

台湾は馬英九政権の8年間で対中融和による景気浮揚策が経済成長目標より大幅に下回り、景気低迷が与党・国民党に不利に働いている。来月16日投開票の総統選では各候補は「環境に優しい産業育成」を打ち出し、原発に替わる自然エネルギー開発や未来産業、地元観光による復興を訴える。南部の台南市では日本統治時代の文化力を利用し、日系デパートだった林百貨店が昨年6月にリニューアルオープンして賑わいを見せ、高雄市では太陽光エネルギーなどの技術普及が超党派で評価されている。(台湾南部・台南、高雄で、深川耕字=2015年12月27日記)

自然エネルギー利用も 高雄

2014年6月にリニューアルオープンし、古き良き日本統治時代の建築様式がライトアップされた台南市内の林百貨店。  台南市中心部の目抜き通り、日本統治時代には「銀座通り」と呼ばれた末広町(当時)に昭和のレトロな近代建築として日本橋高島屋や日本橋三越のような佇まいで林百貨店は鉄骨6階建てビルとして建っている。夜はライトアップされ、多くの若者たちが夜景を三脚でカメラ撮影する姿が目立つ。

 「林百貨は台南文化の宝。戦時中は米軍の空爆被害を受け、戦後は製塩工場、空軍寮、警察の派出所に使われ、80年代から空きビルになり、リニューアルを待ち望む声が強まった」と台南観光協会スタッフで母親が岐阜県出生の謝静如さんは話す。

 林百貨店は山口県出身の経営者、故・林方一氏が昭和7年(1932)12月に創立した日本の百貨店で「ハヤシ百貨店」との呼び名でも親しまれていたが、日本の敗戦で廃業。その後、国民党による長期統治を経て2010年末、民進党の親日派(東日本大震災後の12年に仙台市長を慰問)である頼清徳氏(56)が台南市長に就任して以降、百貨店リニューアルの動きが本格化した。

高雄市の呉益政市議会議員の事務所は親民党の総統選対策事務所となっているが、クリーンエネルギーを使った技術を駆使して建築され、党派を超えて視察する人が絶えない。  民進党台南市選挙本部の盧柏榕副主任は「長期間、国民党市政が続き、古き良き日本統治時代のシンボルである林百貨店を復活させるチャンスがなかった。民進党市政になり、ようやく日本の文化力が台南市民だけでなく台湾内外でも認められ、こだわりのある日本と台南が合わさったレトロ商品が魅力だ」と語る。

 国民党台南市選挙本部は林百貨店の向かい側にあり、国民党の興亡盛衰は林百貨店にも大きな影響を与えた。国民党台南市委員会の劉建ッ専門委員は「林百貨店閉店後の扱いは決して冷遇していないが、もっと活用法があったかもしれない」と後悔の念を抱く。

 頼市長の陣頭指揮で2010年から3年かけてリノベーションによる修復を終え、昨年6月末からのリニューアルオープンし、一般公開では2ヶ月間で10万人が訪れる人気ぶりとなった。

 昨年6月のオープン式典では頼市長や林百貨店創業者である林方一氏の次男で二代目・林二郎氏の妻・林千恵子さんなど親族も参加。頼市長は「台南は文化首都としてソフトパワーの発信源となり、林百貨店は新ランドマークとして台南の文化観光拠点になってほしい」と語っている。

 店内は台南風建築と昭和時代の最先端建築の融合がレトロで洗練された雰囲気を醸し出し、商品一つひとつにもにじみ出る。4階までが売場、5階にレストランがあり、日本のおでんがコンビニ価格程度で食せるのが魅力。1階には京都の宇治茶・アイス専門店も出店し、屋上階6階には展望台と屋上庭園、日本式神社もあり、まるで昭和初期にタイムスリップした感覚に陥るほどだ。台南は台湾の伝統文化を最も色濃く残し、観光の文化発信力が林百貨店の復活で新たな実験段階を迎えている。

取材に答える高雄市の呉益政市議会議員。  一方、高雄市では親民党所属の呉益政高雄市議会議員が超党派で自然エネルギー、クリーンエネルギー開発をめぐり高雄市の新たな産業復興策を提示し、議会での法案成立が進みつつある。高雄市議会で親民党所属の市議会議員は呉氏一人だけだが、「環境に優しいクリーンエネルギー開発は民進党も国民党も無関係に協力的だ」と呉氏は話す。

 民進党の蔡英文総統候補は12月25日のテレビ政見放送で「経済政策の方向性を取り戻すことは新政権の最も重要な責任だ」とした上で、再生可能エネルギーやバイオテクノロジー、インターネットを含む5分野に特化した産業のイノベーションプロジェクトを打ち出した。

 高雄市の親民党選挙対策本部は従来は呉議員の事務所で、コンテナを使ったエコ建築だ。天井には太陽光発電パネルを張り巡らし、自家発電ができるシステム。亜熱帯地域の夏日でも植物が育つバイオシステムを構築し、党派を超えて視察者が多く、民進党からも技術推進への支持と賛同が得られている。

 呉議員は「新政権がどの党派であっても新エネルギー産業、環境対策は高度な科学技術が必要で高雄の科学技術の特色にしていく必要がある」と話している。同スタンスは親民党の生き残り戦略としても重視されそうだ。

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ルポ・政権交代の攻防 台湾総統選2016 第2回

記載日:2015.12.27

地方選で首長ポスト押さえ優勢 民進党

台湾では2010年の五大直轄市長選までは北部の台北市、新北市で国民党が勝利し、「北藍南緑(台湾北部は藍色の国民党、南部は緑色の民進党支持)」との従来の表現が通じた。しかし、昨年11月の統一地方選では台北市が無所属で民進党系の柯文哲市長となり、他の県・市長(知事に相当)ポストも民進党が躍進したことで来年1月16日投開票の総統選、立法委員選での得票見通しは一変している。(台湾南部・高雄市で、深川耕字、写真も=2015年12月27日記)

中南部で圧倒、国民党は内部分裂 高雄での優位不動

22ある県・市の首長は国民党が従来の15ポストを6に激減させた一方、最大野党・民進党は6から13に増やしたことで国民党の集票基盤だった地方都市の漁会(漁協)や農会(農協)などの地元組織で民進党支援の動きが加速しているのだ。

台湾南部最大都市である高雄市の許智傑立法委員は民進党の高雄市選挙対策を行っている。 「国民党が強い北部の新竹市でも市長が昨年末に民進党の林智堅氏になって国民党支持者が民進党を応援するようになった。東部でも同様の動きが強まり、地盤切り崩しは着々と進んでいる」と話すのは台湾第二の大都市である台湾南部の高雄市(278万人)の次期市長最有力と見られる民進党の許智傑立法委員(49)だ。

今回の立法委員選に出馬しているが、実質上、高雄の民進党全体の選挙活動を取り仕切る。許氏は「かつては重北軽南(台湾北部に商工業や金融業を強化し南部は冷遇)だったが、台湾は今後、海洋立国となるために南部の高雄市を海洋首都にして運輸・航空・造船業を強化して中国大陸だけでなく、東南アジア市場へ開拓していく必要がある」と台湾南部の近未来を提示する。

高雄市の国民党選挙本部で選挙対策について会議を行う国民党スタッフら。 「島嶼国家として海洋資源を活かし、高雄市内にある中山大学海洋学院や高雄海洋科学技術大学、海洋研究センターを充実していく」とも述べ、安定した民進党政権樹立後の台湾南部の未来図を描く。立法委員(国会議員=113議席)選の現状分析は「民進党は過半数の57議席以上が必要だが、現状は55〜62議席だ」と予想する。

親民党所属の呉益政高雄市議会議員。  台湾南部では国民党の選挙本部は表向き、活気がない。高雄市の国民党選挙本部2階では黄璽文立法委員候補が「厳しい選挙を組織票で手堅く押さえていこう」と国民党の党員たちに声をかける。党員の李振亜さん(61)は「一人でも当選できるようにしたい」と渋い顔。国民党と連携する親民党所属の呉益政高雄市議会議員は本紙の取材に「高雄市9区で国民党は9人が立候補していても一人も当選しないだろう。民進党の圧勝で終わる」と見通す。高雄市議会(66議席)では民進党33、国民党24、親民党1、台湾団結連盟1、無所属5、団結連盟2の議席配分で民進党が与党であり、独立志向の強い陳菊高雄市長のお膝元だけに立法委員選挙でも民進党の圧倒的優位は変わりそうにない。

 国民党が勢いに乗れないのは、総統候補の人選不手際と王如玄副総統候補(54)の軍人住宅転売利益をめぐるスキャンダルで、とくに台湾南部の軍人出身者の反発が根強いからだ。中国との統一志向が色濃くて敬遠された洪秀柱立法院副院長の公認を取り消し、代わって公認候補になった朱立倫党主席は、総統候補の人選手続きに理不尽さがあるとの党内からの反発もあり、「むしろ、理路整然と候補になった洪秀柱氏への人気が高まり、党内は朱立倫派、洪秀柱派、馬英九派、呉敦儀副総統派に分かれてまとまらず、四分五裂しそうな動き」(翁明賢淡江大学国際事務戦略研究所長)との見方も出ている。

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ルポ・政権交代の攻防 台湾総統選2016 第1回

記載日:2015.12.26

立法委員選でも過半数の勢い 民進党 1強2弱の地殻変動

【台湾総統選挙の各政党候補者と最新支持率動向】 来年1月16日投開票の台湾総統選(任期4年、再選は2期まで可)と立法委員(国会議員)選(定数113)に向け、本格的な選挙戦に突入し、最大野党・民進党の蔡英文主席(59)、与党・国民党の朱立倫主席(54)、親民党の宋楚瑜主席(73)の3氏が終盤戦を展開している。選挙序盤から蔡氏が圧倒的リードを保ち、焦点は立法委員(国会議員)選挙での与野党議席数に移り、民進党は政権奪還だけでなく、立法院(国会)での過半数確保による安定政権を視野に入れ始めた。政権交代の攻防選となる同選挙と台湾の近未来を現地でルポしていく。(台北・深川耕字、写真も=2015年12月26日記)

第三政党と連携、青年層の声代弁

2015年12月13日、台湾の新北市汐止駅前で蔡英文民進党主席(左端)と一緒に壇上で手を振るミニ政党「時代力量(時代の力)」の黄国昌党主席。  台北市に隣接する新北市汐止駅前。13日、最大野党・民進党の蔡英文主席は昨年のヒマワリ学生運動リーダーで新北市から立法委員選挙に立候補した新党「時代力量(時代の力)」の黄国昌主席(42)の選挙本部設立総会に駆けつけ、「国会(立法院)の過半数を獲得しよう。時代力量は台湾を改革する同志であり、共に立ち上がろう」と有権者に呼びかけた。

 黄主席は昨年3月、与党・国民党が進める対中融和政策としてサービス貿易協定を立法院(国会)で批准させようとの動きに「このままでは台湾がブラックホールの中国大陸にモノや人の交流で呑み込まれる。議場を国民に返せ」と立法院内で座り込みデモを行って同協定審議中止に追い込んだ立役者の一人。
 同デモで馬英九政権は支持率が10%以下に急落し、逆にデモ参加の学生たちに同情が集まった。
対中政策では民進党に近いが、民進党の党員ではなく、若年層の台湾人意識が強い無党派が支持基盤だ。

 黄主席は本紙の取材に「ヒマワリ学生運動は昨秋79日間続いた香港の雨傘運動にも強い影響を与えた。
 理解ある有権者には総統候補は蔡英文氏に、比例区は時代力量に投じてほしい」と話す。

2015年12月13日、台湾の新北市汐止駅前で有権者と交流する小政党「時代力量」の黄国昌党主席(中央)。  比例区では得票率が全体の5%を超えない政党は議席を得られないが、「時代力量は比例区で1議席、小選挙区で2〜4議席で最大5議席を確保できる勢い。
 むしろ李登輝元総統が精神的指導をしてきた台湾団結連盟(台連)の議席確保が困難」(淡江大学の翁明賢・国際事務戦略研究所長)と分析する。

 政権奪還を目指す民進党は「第三勢力」となる左派系の小政党や無党派の候補と選挙協力を積極的に実施し、定数113の立法院で小選挙区73議席と先住民区6議席、政党別の比例区34議席のうち、民進党は11選挙区で候補者を立てず、「時代力量」など左派系の小政党候補を推薦。他にも緑の党、社民党などは支持政党を表明していないが民進党の蔡英文候補を実質支持している。
 来年2月の改選後の立法院では、民進党と第三勢力を合わせた「進歩大連盟」で過半数を着実に目指す選挙戦略だ。

 なぜ、民進党が立法院での過半数確保に終始こだわるのか。台湾では1996年以降、直接選挙が実施され、2000年から8年間が民進党の陳水扁政権、08年から8年間は国民党の馬英九政権に入れ替わってきたが、立法院は一貫して国民党が主導権を握り、16年以上、王金平立法院長(国会議長)が長期ポストを得て主導権を握ってきた「国民党王国」だったからだ。

 とくに民進党の陳水扁政権は立法院で少数与党から抜け出せず、行政と立法のねじれ国会が不安定な政権運営を強いられ、重要法案の成立が阻まれてレームダック化から内政に深刻な悪影響を及ぼした。

 民進党は過去の苦い教訓から、候補者を立てない12選挙区で「第三勢力」のミニ政党との選挙協力を積極的に進め、単独過半数が達成しなくても小政党との連携で過半数を確保していく目算だ。
 黄天麟・元総統府国策顧問(台日文化経済協会長)は「民進党が単独過半数を獲得するよりも台湾団結連盟や時代力量などのミニ政党の議席数で過半数を超える方が台湾本土派の意向がより立法院で健全に反映できる理想形だ」と見る。

2015年12月18日、台北市内では「時代力量」の立法委員候補でロックミュージシャンの林昶佐氏(右端)が民進党の蔡英文総統候補と自身の顔写真を載せたプラカードを掲げて選挙活動している。  台北市内の龍山寺周辺の夜市。台北市第5区から出馬している時代力量の立法委員候補者、ロックミュージシャンの林昶佐氏(38)にも民進党は積極支援し、18日夜、民進党の蔡英文総統候補と自身の顔写真を載せたプラカードを掲げて「総統選は蔡候補、選挙区は私に一票を投じて下さい」と握手をしながら訴えて回った。
 林氏は本紙の取材に「日本でもライブを行い、今後も日本との関係は文化面でも深まる。
 民進党側が圧勝する選挙結果が中国大陸にも台湾の民意として堂々と伝わるだろう」と述べる。

 林候補を支持する林昆志さんは「ぼくらのように若者の無党派層は民進党とか国民党のような党派性ではなく、その人個人を信頼して支援する。
 無党派は支持する候補が不在なのではなく、しっかり特定候補を支持するケースが増えている」と話す。
 台湾では村上春樹の文学作品が人気で「政治に希望を持てない挫折感から脱出するために個人の自己実現を求める村上春樹作品が共感を呼び、無党派層の若者の動きにもつながっているのではないか」(淡江大学村上春樹研究センターの曽秋桂主任)との見方もある。

 今回の選挙で有権者約1800万人のうち、初めて投票権を得た若者は約184万人で全体の約1割を占める。
 何思慎輔仁大学教授(台湾大学教授)は「既存の党派バランスが若年層の投票で大きく変わる潜在力がある。
 党派ではなく自分の政策に合うかどうかで支持を決める柯文哲台北市長の動きも台風の目となり、投票率は前回より高まり、SNSを使った若者たちの政治参加意識の高まりで70%ぐらいになるだろう」と見通している。

台湾の立法委員選挙
 定数113の立法院(国会に相当)で、小選挙区制の地域別選挙区73議席と先住民区6議席、政党別の比例区34議席を争う。有権者は選挙区(または先住民区)と比例区にそれぞれ1票を投じる。任期は2016年2月1日から4年間。投票地は戸籍地のみで在外投票制度はない。比例区では得票率が全体の5%を超えない政党は議席を得られない。

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1強2弱の3候補、蔡氏リード 台湾総統選

記載日:2015.12.06

焦点は立法院の与野党議席数

来年1月16日投開票の台湾総統選挙の立候補届け出が27日に締め切られ、最大野党・民進党の蔡英文主席(59)、与党・国民党の朱立倫主席(54)、親民党の宋楚瑜主席(73)の3氏が届け出を済ませ、選挙戦はいよいよ終盤に入る。選挙序盤から蔡氏が圧倒的リードを保ち、焦点は立法委員(国会議員)選挙での与野党議席数となっている。(深川耕字=2015年12月6日記)

安定政権樹立、景気浮揚が不可欠 ― 対中政策が難題、中国は観光開放

 「一強二弱」と台湾メディアで報じられるほど、選挙序盤から野党・民進党公認候補、蔡英文氏は「一強」としての支持率が高く、二弱である朱立倫氏、宋楚瑜氏を寄せ付けない。
 ペアとなる民進党の副総統候補には党の政治家ではなく、総統府直属の研究機関・中央研究院の副院長で無党籍の学者である衛生の専門家・陳建仁氏(64)が指名された。
 与党・国民党は副総統候補に無所属の王如玄・元行政院労工委員会(現・労働部)主任委員(54)を指名。
女性や労働者への共感アピールを強めた。親民党も副総統候補に新政党・民国党主席の徐欣瑩立法委員(43)を選出し、総統選を争う各政党の総統・副総統のペアはそろい踏みした形だ。

 独立志向の強い民進党にとって両岸(中台)関係を従来通りの「現状維持」で保てるか難題だが、大半の有権者は寛容だ。

中国は両岸関係について「一つの中国」原則を確認した「92年コンセンサス合意」の受け入れを台湾側との交流の前提条件としているが、民進党は合意の存在を認めていないため、たとえ政権交代してもトップ会談が継続できるかどうかは先行きが暗い。

それでも有権者から見ると、中台融和による景気回復が思うように進まなかった馬英九政権とは違う現状維持路線に批判は少なく、台湾の選挙につき物のスキャンダルも出ていない。

 一方、昨年末の地方選での惨敗以降、劣勢に立たされている与党・国民党は中国との統一志向の強さが敬遠された洪秀柱・立法院副院長の公認を取り消し、代わって自ら立候補した朱氏は10月の臨時党大会で候補者となった出遅れが響き、勢いに乗ることがなかなかできない。
 馬英九総統が先月7日に行った中台首脳トップ会談も追い風にならず、限定的効果しか見られず、思惑が外れた。最近では、副総統候補の王如玄氏が軍人専用住宅など少なくとも19戸を通常より安値で入手した疑惑で批判に曝され、逆風となっている。

 有力テレビ局TVBSが19日に公表した調査によると、支持率は蔡氏46%に対し、朱氏28%、宋氏10%となっており、蔡氏が大きくリード。台湾指標民調(TISR)が27日に発表した世論調査でも、蔡氏が支持率44・8%で独走状態であり、朱氏は19・1%。宋氏が11・8%で「一強」が「二弱」に大きく水をあけている。

 2日、香港で講演した台湾東呉大学政治学部の郭正亮副教授(民進党の元立法委員)は「今回の総統選での有権者動向は与党・国民党支持者の馬英九政権への不満が特徴で、積極的に投票に行く30歳以下の『首投族』や40歳以下の長期的な国民党支持者が嫌気を射して民進党に投票しようとしている点だ」と分析。

 昨年末の地方選挙で30歳以下の若年層投票率が6割を超え、民進党支持層が多い一方、30代の家庭を持った青年層は経済安定を第一優先する保守層が多く、国民党支持層が多いが、国民党支持者の中にも「2012年の馬英九総統続投後は電気ガス料金が値上がりし、証券取引での税負担が増え、生活改善ができない馬政権への不満が高まっている。
この現象は中国との統一、独立問題とは無関係だ」と述べている。

 台湾政治大学選挙研究センターが2011年から今年5月までに行った支持率調査によると、国民党支持率は39.5%から21%へ急落し、民進党支持率は24.9%から29.7%に増加。支持政党のない中間層は30.4%から43.4%に急増しており、「4年前の国民党支持者の半数近くが無党派中間層に戻ったり、民進党支持に回っている。

もし、民進党政権が樹立しても政権運営がうまく行かなければ再び国民党支持になる」(郭正亮副教授)との見方だ。

 中国は総統選の時期と重なる新年の団体ツアーを増員し、一日あたりのツアー受け入れ人数を5000人から8000人に増員。中国大陸観光客の爆買いが台湾経済を潤す印象を与えたい戦略だが、台湾が景気浮揚できる道を新政権がどこまで軌道に乗せることができるか有権者は見極めようとしている。
 各陣営は総統選挙での獲得票上積みだけでなく、同時に行われる立法委員(国会議員=定数113)選挙で与野党の議席数変動が政権樹立後の安定政権を持続できるかどうか、大きな鍵を握ると見ている。

 とくに8年ぶりの政権奪還が有力視される野党・民進党は現有40議席で過半数となる57議席ラインを超えられるかどうかが焦点だ。
現状では、与党・国民党は64議席、台湾団結連盟3議席、親民党3議席、無党団結連盟1議席、民国党1議席、欠員1議席。民進党と国民党の議席数が逆転する動きが強まっており、終盤の攻防が新政権誕生時の安定度を見通せることになりそうだ。

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中国大陸からの観光客3割増 台湾

記載日:2015.12.02

 新年と春節は中国大陸の観光客にとって台湾旅行のトップシーズン。中国の対台湾窓口機関・海峡両岸関係協会によると、台湾側は2月29日まで1日あたりのツアー受け入れ人数を5000人から8000人に増員。ここ1年、中国では台湾観光が人気となり、1日当たりツアー受け入れ人数に制限があるため、2ヶ月前から申し込む必要がある。1日当たりの人数制限を8000人に引き上げたことは台湾旅行人気をさらに高めている。

 人数制限が緩和されたため、新年や春節に台湾を訪れる中国大陸観光客は3割増える見込み。3000人増員された内訳内容は中国国内全土に開かれたもので、1月上旬までのツアーはほぼ完売。冬休み向け観光商品も7割が埋まり、2008年から現在までの台湾観光客数はのべ1000万人を超え、今年は1月から9月までで259万人に達している。(深川耕字=2015年12月2日記)

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台湾総統選で野党・民進党の副総統候補となった陳建仁氏

記載日:2015.11.29

 「一強二弱」と台湾メディアで報じられるほど、野党・民進党公認候補、蔡英文氏は支持率が高く、ペアとなる副総統候補に党の政治家ではなく、総統府直属の研究機関・中央研究院の副院長で無党籍の学者である衛生の専門家が16日、民進党から指名された。

 香港と隣接する中国広東省で発生した新型肺炎(SARS)が台湾に飛び火して猛威を振るっていた2003年5月に衛生署長に就任し、防疫に尽力。蔡英文氏が実務志向の政権奪還を目指すため、中間層を意識した人選と見られる。
 「(民進党は)4年前の総統選より政策が非常に良くなった」「私自身は無党派。学術界で過ごしてきた生涯にとって政治では与野党が常に交錯している」と述べ、「私は神の手の中にある駒に過ぎない」と台湾全土の発展に寄与する志を台湾メディアに語っている。

 台湾紙「自由時報」が26日に公表した最新世論調査結果によると、副総統候補が確定した後の各党総統候補の支持率は民進党の蔡英文候補が47.86%(0.82ポイント増)、与党・国民党の朱立倫候補が13.87%(5ポイント減)、親民党の宋楚瑜候補が6.89%(0.97ポイント減)となり、最大野党・民進党に優位な推移が続いている。

 1951年6月、台湾南部の高雄市生まれ。台湾大学卒業後、同大公共衛生研究所長、行政院衛生署長、中央研究院副院長を経て民進党の副総統候補に就任。父・陳新安氏は国民党所属の元高雄県長。羅鳳蘋夫人との間に二女。カトリック教徒。64歳。(深川耕字=2015年11月29日記)

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シンガポールで習近平中国国家主席と会談した台湾の馬英九総統

記載日:2015.11.08

 7日、中国の習近平国家主席との初の首脳会談をシンガポールで行い、約1時間の非公開会談や夕食会で分断後66年ぶりのトップ会談を実現した。訪問前、内外記者団を前に「会談の目的は両岸(中台)の平和と安定。双方の指導者が会談することを常態化するため、将来の意思疎通に向けた最初の一歩になる」と意義を述べていた。

 両首脳は中国、台湾それぞれの指導者という立場で臨み、公式の役職名ではなく一般的な敬称(先生=さんづけ)で呼び合うことになった。
 馬総統は「(今回の会談形式は)対等の立場と尊厳を実現することができる。中国側の主権を肯定も否定もしない台湾側の原則とも一致している」とした上で「会談決定は選挙(総統選と立法院選)のためではなく、次世代の幸福のためだ」と強調。

 歴史的な意義のある会談だが、実質的には中台関係に変化をもたらすことはなさうだ。協定への署名や共同声明の発表をしないことで一致。
中台関係の専門家の間では、中国国家主席と初めて会談した台湾総統として歴史に名を残すため、今回の会談で一番利益を得るのは馬総統だとの分析が出ている。

 来年1月16日投開票の総統選挙では最大野党・民進党の蔡英文候補に大きくリードを許している与党・国民党にとってやや追い風になっても台湾本土派、独立派からの反発は強まるばかりで逆効果との見方もある。
 今回の会談実現は、総統選後に、たとえ政権を失うことになっても中国大陸とのパイプを維持できれば馬総統が来年5月に総統を退任しても、次期総統が中国指導者との定期会談ができる道筋をつけたことになり、国民党の政治的存在感は保たれるとの読みがある。逆に中台の現状維持を求める野党・民進党にとっては重い課題となりそうだ。

■香港生まれ、台湾育ち。台湾大学卒業後、ハーバード大学大学院博士課程を修了。98年から06年まで台北市長。08年、台湾総統に就任し、12年に再選。周美青夫人との間に二女。65歳。(深川耕字=2015年11月8日記)

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野党牽制、効果は“痛み分け” 中台トップ会談

記載日:2015.11.07

総統選で逆効果、警戒感強まる

中台トップ会談は台湾の馬英九総統が二期八年の任期ぎりぎりで残す政治遺産となった。政権奪還を目指して独立色の残る野党・民進党を牽制しても、正負両方が混在し、効果は“痛み分け”と言える。
 中国は「一つの中国」原則を確認した「92年コンセンサス合意」の受け入れを台湾側との交流の前提条件としているが、支持率トップで総統選を優位に進める野党・民進党の蔡英文候補は中台関係の「現状維持」を訴えつつ、合意の存在を認めていないため、たとえ政権交代してもトップ会談が継続できるかどうかは先行きが暗い。(深川耕字=2015年11月7日記)

  むしろ、台湾野党側は馬総統が任期が終わる来年5月までに「再び香港あたりで中台トップ再会談を行って共同声明を締結する可能性がある」(民進党の謝長廷元行政院長)との警戒感が強まっている。

 中台トップ会談は、来年1月の総統選、立法院選挙に向け、離れかけていた与党・国民党の支持者をつなぎ止め、基礎票を上積みできる効果があっても、独立志向の強い中南部では反発が強まり、今回のトップ会談についても台湾紙「蘋果日報」の最新世論調査結果では「歓迎しない」(53.1%)が「歓迎する」(38.8%)を上回る調査結果も出ている。

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中台トップ会談の意味

記載日:2015.11.06

米軍パワーが再構築

11月7日から習近平中国国家主席はシンガポールを公式訪問。台湾の馬英九総統と会談する。両岸(中台)指導者が会談するのは1949年以来、初めて。シンガポールが会談場所となったのは歴史的、現実的理由があるからだ。シンガポールの親中系学者らは「両岸関係の前進は必然的流れ。一つの中国の原則と92年コンセンサスを明確にすることが両岸指導者の直接交流を定例化する基礎になる」と見ている。(深川耕字=2015年11月6日記)

 1993年、シンガポールで両岸の窓口機関トップが会談した会議室は改築工事で姿を消したが、シンガポール政府にとって、建物自体は依然、両岸関係を取り持ったシンボルとされている。

 1993年の両岸窓口機関トップの会談で直接対話のルートが開かれた。その後、紆余曲折があったが、対話と交流を進める姿勢は両岸にとって変わらない。今回、両岸指導者トップ会談の歴史的場所としてシンガポールを選んだのは、歴史的、現実的理由からだ。

 シンガポールの親中系ジャーナリスト、李気虹氏は「こんなに突然、シンガポールで両岸指導者トップ会談が実現するとは予想しなかったことだが、歴史的出来事なのでかなりの期待を集めている。台湾政局がどう変化しようと、両岸指導者が会談することは双方にメリットがあり、一つの中国の原則と92年コンセンサスを堅持できれば両岸指導者会談を定例化する基礎になる」と分析している。

 シンガポール国立大学東アジア研究所の鄭永年所長は「戦後の日本、台湾、アジア経済は中国が改革開放政策に舵を取る前まで西側の市場に大きく依存していたが、中国台頭後は台湾のみならず、日本、韓国、他のアジア諸国も中国経済と構造的な経済依存関係を持つようになったので、この流れをふまえた方向に進むしかない」と話している。

 米国のカーター国防長官は11月5日、南シナ海で活動している米空母セオドア・ルーズベルトを視察。米国が南シナ海問題で中国と直接対決する構えに出たと分析する声もあるが、南シナ海問題をさらに緊迫化させることは間違いない。
 カーター長官が空母を視察した時、南沙諸島(スプラトリー諸島)から200カイリ離れた場所を航行中だった。米軍は米空母の南シナ海での航行は常態化していると一貫して主張している。しかし、中国側にとっては南沙諸島問題が敏感な時期であることや視察した空母がビックスティック(棍棒)という名の愛称で呼ばれていることから予想以上に騒いでいる。
 
 ビックスティックという愛称の由来は、ルーズベルト元大統領の「大きな棍棒を携え、静かに話す」という座右の銘にある。空母での記者会見でカーター国防長官はこの言葉を引用し、対話に前向きな姿勢を示す一方、今後も同海域で強大な軍事力を持ち続けることも示した。
 
 米空母の航行について中国外務省は5日、「航行の自由を理由に南シナ海の軍事化を進め、さらには他国の主権と安全利益を挑発、威嚇することに反対する。米国が今回、この意図を公明正大にすることを期待する」と述べた。

 中国の王毅外相は6日、米国のケリー国務長官と電話で会談し、習近平中国国家主席の訪米成功を受けて「協力強化し、一連の重要な合意事項を徹底し、両国関係の安定的発展を確実なものにすべきである。これに対する不必要な妨害は望まない。米国艦船の南シナ海での行動は相互信頼を損ない、地域の緊張を引き起こすので中国は強い懸念を表明する。米国が対話協議によって食い違いを抑える正しい道にもどるように促す」と述べた。

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野党候補優位、形勢変わらず 台湾総統選

記載日:2015.10.25

候補交代で態勢立て直しへ 国民党

台湾与党・国民党は10月17日の臨時党代表大会で来年1月16日の総統選挙公認候補だった洪秀柱立法院副院長の公認を取り消し、新たなに朱立倫党主席を公認する異例の事態となった。総統選まで残り3ヶ月を切り、党内で支持率の高いエース級の朱立倫氏を投入して対中政策などで論戦を挑むが、高支持率を保つ野党・民進党の蔡英文候補や与党票を奪う親民党の宋楚瑜候補との3候補の闘いは蔡氏優勢の流れを変える争点を見出せないままだ。(深川耕字=2015年10月25日記)

政権交代へ対中関係が要に 民進党

 与党・国民党で本命視されていた朱立倫氏は昨年11月の地方選挙で辛勝して与党で唯一、直轄市である新北市長に就任したため、市政優先の立場から総統選出馬を否定し、拒み続けて来た。候補者交代を余儀なくされるのは、本来、朱氏を含めた有力候補者が次々と不出馬表明し、本命不在で洪秀柱氏が出馬し、異論を挟む党幹部がだれ一人いなかったためだ。

 知名度不足に加え、中国との統一志向が強い外省人(戦後、台湾に移住した子孫)で2日のラジオ番組では「中華民国憲法が最終的には両岸(中台)統一をするよう定めている」と発言し、主流民意から外れた統一志向が無党派中間層離れを加速させ、党幹部も座視できない段階になってしまった。

 馬英九政権が中国との貿易加速化に舵を取り、昨年3月には大学生たちが中国との新たな貿易協定阻止に立ち上がり、立法院(国会)を占拠。昨年11月の統一地方選で惨敗した国民党は、総統選挙と同日投開票される立法委員(国会議員)選でも洪氏の言動による支持率低迷で過半数割れすら陥りかねない事態となっている。朱主席は先月から何度か洪氏に出馬辞退を促したが、拒否されてきた。

 国民党は17日の臨時大会に出席した891人のうち812人が挙手により洪秀柱氏の総統候補辞退と朱氏の立候補を決めた。

 朱氏は「政治は権力争奪のためではなく、次世代のためにある」とし、挙党一致よる背水の陣で国民党再建へ短期決戦に挑む。朱氏は党大会で「総統選、立法委員選はともにかつてないほど低迷し、再出発する必要がある」「このままでは台湾は民進党の一党独裁になり、民主主義が失われる。選挙の敗北は両岸(中台)平和の敗北だ」と危機感を募らせている。

 蔡英文氏と朱立倫氏の名前の一部をとって「英倫大戦」と呼ぶメディアもあり、中央選挙委員会は11月23〜27日に総統選の立候補を受け付け、本格的な総統選挙へ突入する。

 知名度不足と中国寄りの発言で不人気の洪氏から知名度の高い朱氏に差し替え、先行する最大野党・民進党の蔡英文主席を猛追しようとするが、与党・国民党全体の決断が遅く、総統選での挽回は限定的で厳しいとの見方が根強い。

 与党・国民党は総統選、立法委員(国会議員)選挙に向け、態勢立て直しに必死だ。

 朱候補は22日から台湾中部の台中市入りし、8人の国民党所属の立法委員候補者と選挙対策センターの除幕式に参加。選挙地盤の安定する南投県のほか、彰化県、雲林県、新竹県などを巡回し、立法委員選挙での劣勢を挽回しながら総統選での票積み上げに力を注ぐ。

 息を吹き返したのは国民党の中でも台湾本土派の立法委員候補らだ。洪秀柱氏が候補となって統一派のイメージがつくことを避けるため洪氏とのツーショット写真を選挙戦では拒んでいた約40人の立法委員候補らが、次々と朱氏との写真撮影を求め、総統候補との共同歩調を取るようになった。

 国民党の副総統候補の呼び声が高い本土派の王金平立法院長は22日、道教の関係団体との会談で「朱立倫氏は対抗馬と50万票差で追い上げできる」と述べ、台湾に700万人以上いる道教信者票に期待を寄せている。

 朱立倫氏は来月中旬には訪米を予定し、与党候補として米国政府からどれぐらい厚遇されるか、注目される。朱氏は4〜6日程度の滞在日程で訪米し、華人の多いロサンゼルスのほか、ワシントンや母校・ニューヨーク大学での滞在も計画されている。

 すでに5月末から6月初めに訪米した蔡英文候補が米国で「対中現状維持」を強調し、ブリンケン米国務副長官と総統選候補として初めて国務省内で会談するなど米側から厚遇されたこともあり、蔡候補と遜色ない対応がされるか、国民党の外交手腕が試される。

 与党・国民党の候補者差し替えで立法委員選挙では、劣勢に立たされた国民党は過半数割れで30〜40議席に激減すると予測する見方も出ており、現有65議席からの議席減をどこまで食い止められるか、厳しい選挙戦に突入する。最大野党の民進党(現有40)が最大65議席の過半数を獲得するとの世論調査結果もあり、少数野党である台湾団結連盟(3)、親民党(2)の動向には大きな影響はないと見られており、立法院でも与野党逆転の流れができつつある。

 国民党が短期決戦で浮上できるカギを握るのは対中政策だ。優位に立つ民進党の蔡英文氏は「現状維持」のみ訴え、国民党が台湾と中国は不可分という「1つの中国」の原則を認める「92年コンセンサス(合意)」を受け入れようとしない。蔡氏が「現状維持」を訴えても、92年コンセンサスを認めなければ、政権奪取しても中国との関係が不安定になる可能性があるため、中台関係を安定化できるのは国民党だと訴え、親民党の総統候補である宋楚瑜主席とも対中関係での選挙協力を模索する動きだ。

 台湾のケーブルテレビ大手、TVBSグループが18〜19日に実施した最新世論調査では、「蔡英文氏に投票する」との回答が46%、「朱立倫氏に投票」が29%、「宋楚瑜氏に投票」が10%の順となっている。







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● プロフィール ●

深川耕字 (ふかがわ・こうじ)

福岡県生まれ。筑波大学第一学群人文学類卒業後、新聞記者を経てフリーランスライター。1997年から10年以上、香港駐在し、中国各地や台湾、マカオなど頻繁に現地取材。一般社団法人・全国教育問題協議会理事。

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