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香港中国情報源

フリーランスライター 深川耕字

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■ 香港の路上占拠デモを主導/周永康・学連事務局長

記載日:2014.00.00


周永康・学連事務局長 先月末から続く香港の大規模デモの実質的リーダーの一人として一躍注目を集めている。

 くしくも7月に失脚した中国の元最高指導部メンバー、周永康・前政治局常務委員と同姓同名だが、一国二制度の香港で香港基本法に基づく普通選挙の在り方に「香港の未来はわれわれの手にあるのに、中国政府がご都合主義で変更している」と批判、学生の立場から真の普通選挙実現を理路整然と訴えている。

 香港大学で比較文学、社会学を学ぶ4年生。契機となった9月22日の授業ボイコットでは25校の大学生ら1万3000人を香港中文大学に集め、同28日から始まった学生主導の路上占拠デモの大きなうねりとなった。

 今月21日に初めて行われた香港政府と民主派系学生団体の大学生連合会(学連)との対話では、政府と学生の代表各5人が公開対話を行い、学生代表の一人としてデモが続く意義について説明。「中国政府決定の前提となった梁振英行政長官の7月の報告の誤謬(ごびゅう)を認め、補充報告すべきだ」と香港政府報告の間違いを指摘した上で「有権者指名制度が基本法に合致しないなら、基本法の改正を提案して改革ルートマップを提示すべきだ」と述べている。

 初対話では2017年の行政長官選の普通選挙改革案をめぐり、8月末に中国の全国人民代表大会(全人代=国会)が決定した中国政府方針の修正を拒む香港政府側と同決定撤回は憲法上、可能だと主張する学生側の溝はまったく埋まらなかった。

 対話で香港政府が提案した市民の抗議要求を中国政府に報告し、22年の行政長官選挙について意見を聞く場を設けるとの案について、学生側は26日夜、賛否を問う住民投票を路上占拠現場で行うとし、世論の学生支持拡大を顕示しようと次の一手を打つ。24歳。

■ 台湾の国民党主席選への擁立が取り沙汰される朱立倫新北市長

記載日:2014.00.00


朱立倫 「惨勝」――。11月29日投開票された台湾統一地方選で台北市に隣接する新北市長に再選された際の台湾各メディアの酷評見出しがこの表現だ。

 当確発表直後、集まった与党・国民党の支持者たちの前で「有権者の怒号をしっかり受け止める」と悲壮な面持ちで深々と頭を垂れた。

 今回、人口の約7割を占める六つの直轄市の市長選で国民党が勝ったのは新北市だけだ。4年前の新北市長選では民進党の蔡英文主席と争い、111万票を獲得し、接戦を制したが、今回は民進党の重鎮、游錫●(=埜の木を方に)候補と争い、わずか2万4000票差の95万票余りで再選。先回が大接戦の大金星である「辛勝」とすれば今回は「惨勝」と評されても仕方ないほど、与党・国民党は惨敗した。
 直轄市を含む22の県・市の首長選で、国民党のポスト数は15から6に減少、最大野党・民進党は6から13へと倍増させた。

 今回の統一地方選は、2016年3月に行われる台湾総統選の前哨戦であり、立法委員(国会議員)選挙の行方を占う試金石。党主席を辞任した馬英九総統の求心力が失われつつある与党・国民党も、支持率が上がった最大野党・民進党も総統候補が確定したとは言い難い。民進党は蔡英文党主席が濃厚だが、特に国民党は各派閥の足の引っ張り合いが激化する中、国民党主席候補、総統候補として朱立倫氏を推す動きが出ている。

 台湾の民間世論調査結果(東森民調)によると、次期総統選で国民党支持の有権者の65%が朱氏支持で次が◆(=郡の君を赤に)龍斌・前台北市長の14%。民進党支持者の48%が蔡英文氏に期待し、26%が頼清徳台南市長となっている。

【朱立倫】1961年6月、台湾桃園生まれ。原籍は中国浙江省義烏。父は軍人、母は桃園の名家出身。98年、台湾の立法委員(国会議員)に初当選。2001年に桃園県長となり、09年、馬英九政権下の行政院副院長(副首相に相当)となり、10年に国民党から新北市長選に立候補し、民進党の蔡英文氏との大接戦を制して初当選。14年12月、新北市長に再選された。夫人は政治家一家の高婉倩氏。


■ 台中市長選で善戦する民進党の林佳龍候補

記載日:2014.00.00


林佳龍 11月29日投開票の台湾統一地方選で与党・国民党が地盤にしていた台北と台中の市長選で野党系候補が優位に立ち、台中市長選では野党・民進党の林候補が序盤から常にリードを保っている。

 再選を目指す与党・国民党の胡志強市長は「多選」批判にさらされ、2001年から旧台中市長を2期、直轄市になって計13年在任し、2期目を目指しているが、見通しは暗い。地下鉄計画の開通見直しでも批判にさらされ、10年前の2倍にも急騰した地価高騰対策でも地元の評価を落としている。

 台湾紙「聯合報」の10月末の世論調査では林氏が45%、胡氏が29%と大きくリード。台湾紙「自由時報」の実施した10〜12日の最新世論調査でも林氏44%、胡氏28%で大きく水をあけている。

 胡志強候補に挑むのは2回目。初回の05年では陳水扁政権2期目の相次ぐ汚職で民進党の支持率が低迷したこともあり、得票率19ポイントの大差で大敗したが、今回は馬英九政権の支持率低迷や相次ぐ食品安全問題の影響にさらされる与党・国民党の逆風に比べ、追い風が吹く。

 住宅難解消策として若者向けに1万戸の社会住宅建設計画を打ち上げ、「2度目の対決で台中を変えよう」と訴えながら、廖婉如夫人と二人三脚で遊説活動を行っている。

【林佳龍】1964年、台北市生まれ。台湾大学政治学系卒業後、米エール大学で哲学修士、政治学博士号を取得。90年、野百合学生運動を展開し、陳水扁政権の総統府副秘書長(副官房長官)、民進党秘書長(幹事長)、行政院新聞局長などを歴任。2010年の台中市長選で次点。12年には立法委員(国会議員)に就任。50歳。






過去記事

2014.00.00
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2014.00.00
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2014.00.00
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● プロフィール ●

深川耕字 (ふかがわ・こうじ)

福岡県生まれ。筑波大学第一学群人文学類卒業後、新聞記者を経てフリーランスライター。1997年から10年以上、香港駐在し、中国各地や台湾、マカオなど頻繁に現地取材。一般社団法人・全国教育問題協議会理事。

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